【食と暮らしのコラム 第23話】

はじめに

「しっかり寝たはずなのに、朝から体が鉛のように重い」

「週末に休んだつもりなのに、月曜日の朝が一番つらい」

「栄養ドリンクを飲んで気合を入れたのに、午後にはガス欠になる」

そんな感覚に襲われたとき、私たちはつい自分を責めたり、わかりやすい理由を外に探そうとしたりします。

「年齢のせいかな」

「気合いが足りないのかな」

「最近、ビタミン不足かも」と。

 

つまり、「体だけが日々のスピードについていけず、置き去りにされている」人があまりに多いということです。

この『どうしても抜けない疲れ』は、体を動かす力が足りなくなったように感じる状態(ガス欠)というよりも、日常の中で「休めていないように感じる」「疲れが残りやすいと感じる」といった実感として、そのように表現されることもあります。

 

食事の面から見てみると、「足りないものを足す」以前に、「食後の感じ方につながりやすい食べ方」や「休む前の過ごし方」などを見直したことで、日々の体調について考え方や向き合い方が変わったと感じる人もいます。

体調の『感じ方』が変わっていくときは、魔法のようなスーパーフードを一回食べたからといって急に変わるものではありません。

 

日々の生活と食卓の中で、毎日の生活リズムの中で、少しずつ『感じ方』が変わっていくことがあります。

今日は、日常の中で起こりやすい『疲れの残り方』を、やさしく整理してみましょう。

1.「足し算」になりがちな考え方を、いったん見直してみる

なぜ「スタミナ食」で逆に疲れてしまうのか?

「疲れた」と感じたとき、多くの人は無意識に「足し算」の解決策を思い浮かべます。

  • ウナギや焼肉など、「元気をつけたいときに選ばれやすい食事」をとる
  • カフェインや糖分を含む飲み物に頼って、気合を入れようとする

もちろん、これらが体を動かすための力として役立つ場面もあります。

 

しかし、疲れを感じる日が重なると、食後に重さやもたれを意識しやすくなる人もいます。

すでに食後の重さを感じる日に、油っぽい、重たい食事が重なると、どんな『感じ方』になりやすいでしょうか?

食後にだるさを感じたり、休んだ感じがしにくいと感じる人もいるようです。

特に油っぽいものや、肉・魚などは食後にだるくなりやすい、重く感じやすいことがあります。

渋滞している道路にさらに大型トラックを送り込むようなものかもしれません。

 

そのため、食後にだるさや重さをそう表現する人もいる、という声もあります。

「元気になるために食べたのに、逆に動けなくなる」という「逆のことが起きる感じ」として、こうした『食後の重さ』が重なって感じられることもあります。

 

■日々のコンディションを左右しやすい3つのポイント

日々の生活の中で、生活リズムの感じ方として、次のような流れを意識する人もいます。

 

①「食べ方」: 食後の感じ方につながりやすい『食べ方の工夫』を意識する。

②「使い方(動き方)」: 日中の過ごし方(動き方・休み方)のバランスをとる。

③「休み方」: 夜に“休みに入れる感じ”をつくりやすい工夫をする(と感じる人もいます)。

 

調子がいいときは、この流れが『うまく回っているように感じられる』ことが多いです。

しかし、疲れを感じる日が重なると、「休み方」のリズムが合いにくいと振り返る人もいます。

部屋の掃除と同じで、不要なものが溜まったままでは、いくら新しい家具(栄養)を入れても、部屋(体)は快適になりません。

この流れを動かすために必要なのは、栄養を増やしすぎることではなく、「休息を邪魔している習慣を減らすこと」。

 

つまり、大人の毎日の『コンディションを整えやすくする』ヒントは、試してみる価値があるのは何かを足すことよりも「引き算」の発想にあるのです。

 

2.体の休みやすさを妨げやすい「3つの食卓習慣」と見直しのヒント

もしあなたが疲れが長く続くときは、栄養の話に入る前に、まず生活のリズムを見直してみるのも一つです。

ほんの少しの工夫で、食後の感じ方について意識が向くようになった人もいます。

 

① 食事が「流れ作業」になっている

こんな食事になっていませんか?

  • パソコンでメールを返信しながら、片手でサンドイッチを流し込む。
  • 5分しかない昼休みに、丼ものを噛まずにかきこむ。
  • テレビのニュースに夢中で、今食べているものの味を覚えていない。

 

●起こりやすいこと:食事の『入り方』が変わって感じることも

忙しい日常の中で、食事は「空腹を満たす作業」になりがちです。

しかし、これらが続くと、「今は食事の時間」と意識しにくくなることがあります。

食べる前に、目で見たり香りを感じたりするだけでも、食事の入り方が違って感じる人がいます。

これは「食事に意識を向けるきっかけ」になることがあります。

ここで『食事の時間に切り替わった感じ』が出やすい人もいます。

頭が「今は食事」と気づかないまま(ながら食べが続くと)、食後の重さを強く感じる人もいます。

また、「食べたなあ」という感じ(満足した感じ)が得られにくいと、気持ちの切り替えがしにくく、だるさが残ったように感じる人もいます。

 

今日からできる体調を整えるための行動:最初のひと口に集中する

忙しくて時間が取れない日もあるでしょう。

そんなときは、「最初のひと口」だけで構いません。

スマホを置き、パソコンから目を離し、よく噛んで、味と食感を感じてみてください。

「あ、今日のご飯は甘みがあるな」「温かいな」 そう感じるその瞬間こそが、きっかけ(スイッチ)になります。

この数秒のひと手間があるかないかで、その後の重さや食後のだるさの“感じ方”が違ってくる人もいます。

 

② 水分は「量」より「とり方」で“感じ方”が変わることも

▼こんな食事になっていませんか?】

  • 「健康のために1日2リットル!」と、喉が渇いていないのにガブガブ飲む。
  • 食事中にお茶や水を何杯もおかわりする。
  • 常にキンキンに冷えた飲み物を飲んでいる。

 

起こりやすいこと:水分のとり方で『感じ方』が変わることも

水分は意識してとる人も多いと思いますが、一度にたくさん飲むより、飲み方によって『感じ方』が変わる人もいます。

コップ数杯の水を一気に流し込んでも、一気に飲むより、少しずつの方が飲みやすいと感じる人もいます。

また、「水分のとり方で重さを感じる」と話す人もいます。

ただ、冷たすぎない方が、飲んだあとにラクに感じる人もいます。

 

今日からできる体調を整えるための行動:水分は少しずつ、何回かに分けて飲む

飲み方のイメージを変えましょう。

「バケツで水をまく」のではなく、「少しずつ、何回かに分けて飲む」イメージです。

  • 一口ずつ飲む: コップ1杯を、急がず少しずつ飲む。
  • 食事中は控えめに: 食事中に飲み物を摂りすぎると、重さを感じやすい人もいるため、量は控えめが楽な場合があります。
    食事中はコップ1杯程度に抑え、水分は食事の合間に回すとラクに感じる人もいます。
  • 冷たすぎない飲み物: その方がラクに感じる人もいます。

 

③ 夜になると、食後の重さが残りやすい/落ち着きにくい

こんな食事になっていませんか?

  • 仕事が長引き、夕食が22時や23時になる。
  • 食後すぐにソファで寝落ちしてしまう。
  • 寝る直前までスマホを見て、目が冴えてしまっている。

 

起こりやすいこと:夜に『休みに入りにくい感じ』が続くことも

「眠りの『満足感』が薄い気がする」

「夜の途中で目が覚める日がある」

「朝が重く感じる日がある」

そんなとき、「休みに入りにくいと感じる日が続いている」と振り返る人もいます。

日中は活動しやすく、夜は休みたくなるように感じる人も多いです。

睡眠で休んだ感じが得られる人もいれば、得にくい日がある人もいます。

しかし、夜遅い食事が続くと、夜の落ち着きが出にくいと感じる人もいます。

その結果というより、日々のリズムが重なったときに、「寝てもスッキリしない」と感じる日が続くこともあります。

 

今日からできる体調を整えるための行動:夕方に少し食べて、夜は軽くする工夫

夕方から夜にかけて食事の時間が遅くなりやすい日は、食事を2回に分けて考えてみる、という方法もあります。

たとえば、夕方のうちにおにぎりやパンなどを少量とり、夜遅い時間はスープや豆腐、温野菜など、比較的軽く感じやすいものを選ぶ、といった工夫です。

3.栄養士の視点

食事について振り返ってみると、「何を食べるか」と同じくらい、「どう食べるか」が日々の感じ方に関わっていると感じる場面があります。

 

食事の話になると、次のような言葉を耳にすることが多いかもしれません。

  • ビタミンB群など、エネルギーに関わるイメージのある栄養素
  • 肉・魚・卵・大豆など、日々の食事に登場しやすい食材
  • 鉄や亜鉛など、食事の話題で名前が挙がりやすいミネラル

こうした要素は、何かを『劇的に変えるもの』というより、日々の食事を組み立てるときの材料のひとつとして考えられることが多いものです。

 

その「もと」を日々の暮らしに取り入れやすくするには、食べ方や寝方の工夫がヒントになることもあります。

  • リラックスして、落ち着いて食べられる状況
  • 水分が行きわたったように感じる、飲み方の工夫

 

こうした環境づくりを意識すると、食事を『無理なく整えやすい』と感じる人もいます。

「疲れに効く特別なスーパーフード」を探している人ほど、振り返ってみると「基本的なよく噛むこと」がおろそかになっていることがあると感じます。

「何かを足すこと」よりも、「何を急がせすぎているか」に目を向けること。

それが、遠回りのようでいて、体をいたわるうえで、取り入れやすい考え方の一つです。

おわりに:疲れは、体からの「立ち止まって」という手紙

疲れが抜けないとき。

それは体が「もっと頑張れ、気合を入れろ」と言っているのではなく、「そろそろ、休息するためのゆとりを返してほしい」と、あなたに伝えているのかもしれません。

その声を無視して、カフェインや甘いもので無理やりエンジンを回すのではなく、一度立ち止まって、食卓を見渡してみてください。

箸を置く時間を、あと5分だけ長くする。

食事の間は、テレビを消して静かな時間を楽しむ。

寝る前の白湯を、ゆっくりと味わう。

そんな小さな「整える」作業の積み重ねの中で、日々の過ごし方をラクだと捉えやすくなる人もいます。

日常を整える中で、少しずつ違って感じられるようになることもあります。

今日のあなたの食卓が、明日の元気を『無理なく、静かに』支える場所になりますように。

まとめ

  • 抜けない疲れを感じるとき、「休むための切り替えがうまくいかない感じ」や「食後の重さ」「休みに入りにくさ」といった『感じ方』を手がかりにする人もいます。
  • スタミナ食を足す前に、まずはお腹の負担を減らす「引き算」を意識してみる。
  • 食事は「最初のひと口」を味わうだけで、体が「今から食べる時間だ」と感じやすくなる。
  • 水分は一度に流し込まず、「こまめ」に飲むことで体がラクだと感じやすい。
  • 夜は「食事を2回に分ける」などで体を休ませ、夜に休みに入りやすいと感じる人もいます。
  • 「何を食べるか」だけでなく「どう食べるか」が、明日の調子(コンディション)の土台になりやすい。

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